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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収  
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2025年12月17日
 
     
 
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━━━━━━━━━━VOL.1389(2025年12月17日号)━━━━

こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。

近年、日本国内においてキャッシュレス決済の普及が急速に進んでいますが、資金繰りに影響が出る飲食店や小売も増えています。

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◆今週のテーマ◆

「飲食店、小売における資金繰りの悪化」

2025年12月16日付日本経済新聞の記事「外食、変わる『日銭商売』 代金回収が長期化」によると、キャッシュレス決済の普及により、外食大手の資金繰りが悪化傾向にある。

これは消費者にとって利便性の向上をもたらす一方で、特に飲食店や小売店にとっては、売上代金の回収期間の長期化という新たな経営課題を生じさせている。

従来の現金決済では、売上代金は即時に現金化されていたが、キャッシュレス決済では、販売から入金までに一定の期間を要する。

日経の記事によれば、大手外食企業の売上債権回転日数は、10年前と比較して約2倍の15日強に延びた。

この長期化は、仕入れや人件費などの支払いに充てる手元の現金が不足する事態を招き、企業の資金繰りの悪化に直結するリスクがある。

特に、体力のない中小・零細事業者にとっては、黒字倒産のリスクを高める要因となり得る。

また、入金サイクルは決済手段や契約する決済代行サービスによって大きく異なり、この多様性が資金繰り管理を複雑にしている。

例えば、PayPayの場合。入金口座にPayPay銀行を指定すると、最短で翌営業日に入金される。

しかし、その他の金融機関だと、月2回となるため、締め日から15日程度かかる。

クレジットカードなどは、事務処理の効率化や手数料の調整のため、売上を月締めとし、翌月や翌々月にまとめて入金するサイクルを採用している。

これは、決済代行会社が各カード会社や決済事業者からの入金を一括で受け取り、手数料を差し引いた上で加盟店に振り込むという仕組みに起因する。

入金サイクルを早めたい小売店側は、ファクタリングなどを活用。
売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらい、支払期日前に現金化できる。

最短即日で資金調達が可能で、急な資金需要に対応できるが、手数料が発生するため、さらに利益圧迫要因となる。

東京商工リサーチ調べによれば、2025年上半期で小売業の倒産は前年比で2.2%増加した。

これまで、飲食業や小売業は現金商売のため、事業の成長速度が速いと考えられていた。顧客から現金で回収し、仕入先には翌月、翌々月に支払うからだ。

しかし、これだけ、キャッシュレス決済が進むと、利益の圧迫に加えて、資金繰りの悪化も懸念される。

資金需要が高まる年末は特に警戒したい時期だ。

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★編集後記★

2025年も早いもので、あと2週間程度となりました。
次回が今年最後のメルマガになります。

☆次回は12月24日発行予定です。
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『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
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