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◆今週のテーマ◆

「日系9社がトランプ政権提訴、違反判決に備え関税返還求める」

2025年12月、豊田通商、住友化学、リコー、横浜ゴムなど日系企業9社が、すでに支払った追加関税の返還を求めてアメリカ政府を提訴した。

米国では、トランプ前政権下で発動された高関税措置の合法性を巡る連邦最高裁の審理が進行している。

この提訴は、最高裁が関税措置を違憲と判断した場合に、企業が関税の還付を受ける権利を確保することを目的としている。

今回、日系企業が提訴の対象としているのは、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に発動した「相互関税」と呼ばれる追加関税。

これらの関税は、特定の国や品目に対して課され、米国の通商政策における重要な要素となっていた。

この関税措置の合法性は、大統領がIEEPAに基づいて関税を課す権限を有していたかという点に集約される。

下級審では、大統領が議会の権限である関税賦課権を逸脱しているとして、この関税が違憲であるとの判断が示された。

連邦最高裁は2025年11月5日に口頭弁論を開き、このIEEPAに基づく関税措置の合憲性について審理を開始。

最高裁判事9人のうち、トランプ政権に近いとされる保守派判事の一部からも、「関税は議会の権限」であるとの指摘や、IEEPAが広範な関税を認めていないとの見解が示された。

これにより、最高裁が下級審と同様に違憲判決を下す可能性が高まったと見られている。
判決は遅くとも2026年6月まで、早ければ年内にも出る可能性がある。

最高裁で違憲判決が出た場合、関税措置は無効となるが、企業が自動的に関税の還付を受けられる保証はない。

これが、日系企業9社が個別に提訴に踏み切った最大の理由である。

口頭弁論では、最高裁の判決が「将来的な関税徴収を止める(prospective relief)」ことに限定され、過去に支払われた関税の自動的な返還命令には及ばない可能性が指摘された。

また、裁判所が関税返還の手続きを管理することの「混乱」も懸念されている。

この不確実性に対応するため、日系企業は事前に提訴することで、違憲判決が確定した場合に備えて関税返還請求権を確保する狙いがある。

同様の動きは、米小売り大手コストコ、サングラス大手のオークレー、化粧品大手レブロンなど、100社以上の米国企業が、連邦訴訟に参加し、関税の還付を求めている。

追加関税の被害を受けている日本企業の数からすると、9社は少ないが、米政権との軋轢を避けたのか、自動的な返還を漠然と期待しているのか、定かではない。

全世界が注目する米最高裁の判決が待たれるところだ。

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★編集後記★

北海道・三陸沖後発地震で被災された方に心からお悔やみ申し上げます。
寒い時期の避難生活は本当に大変だと思います。
一日も早く正常な生活が送れるようになることを祈っています。

☆次回は12月17日発行予定です。

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