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                        | 与信管理入門 第16回 キャッシュフロー計算書とは | 
                      
                      
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                        キャッシュフロー計算書とは、会計期間における企業活動をキャッシュの流れから計算した書類である。 
                   
                  発生主義で計算されるP/Lよりも、現金主義で計算されたキャッシュフロー計算書の方が、企業の実態をより如実に表している。 
 
                  日本では、2000年3月期から公開企業に作成が義務づけられて、B/S、P/Lに次ぐ第3の財務諸表と位置づけられており、これらを「財務三表」などと呼んだりする。 
 
                  しかし、会社法ではキャッシュフロー計算書の作成は義務づけられておらず、中小企業ではほとんど作成していない。 
                   
                  こうした意味で、キャッシュフロー計算書はまだまだ大企業だけのものといえる。 
 
                  キャッシュには現金だけでなく、現金同等物も含む。 
                   
                  現金同等物とは、普通預金や3ヶ月以内の定期預金、公社債投資など価格変動のリスクが少なく、償還まで3ヶ月以内の投資などである。 
 
                  ここで注意が必要なのが、B/Sにおける定期預金の流動資産の固定資産の区別が、期末から満期まで1年であるのに対して、キャッシュフロー計算書では、預入期間が3ヶ月であるという点だ。 
 
キャッシュフロー計算書は大きく3つに分かれる。 
 
                  1.営業活動によるキャッシュフロー 
                  2.投資活動によるキャッシュフロー 
                  3.財務活動によるキャッシュフロー 
 
                  与信管理目的でキャッシュフロー計算書を分析する上で、最も重視するのは営業活動によるキャッシュフローである。 
 
                  営業活動によるキャッシュフローがプラスであると言うことは、本業が儲かっていることを表す。マイナスの場合は、本業が儲かっていないことになる。 
 
                  P/L上では黒字であっても、営業活動によるキャッシュフローがマイナスになることある。 
                   
                  発生主義で計算して黒字であっても、キャッシュの流れで見ると実は赤字だったということだ。 
 
                  反対に、P/L上では赤字であっても、営業活動によるキャッシュフローがプラスになることもある。 
 
                  取引先のキャッシュフロー計算書を読む場合は、まず営業活動によるキャッシュフローがプラスかどうかを見るクセを付けると良い。 
                   
                   
                   
                  ナレッジマネジメントジャパン株式会社 
                  代表取締役 / 与信管理コンサルタント 
                  牧野和彦 
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