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                        | 与信管理入門 第25回 企業が倒産に至る過程 | 
                      
                      
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                        企業はある日、突然倒産するわけではない。 
                   
                  突然のように見えるだけで、企業の生命を脅かす病は内部で着実に進行しているのだ。 
                  ここでは、企業が倒産に至る過程を見てみよう。 
 
                  経営悪化企業では、まず、売上の減少が見られる。 
                  売上の減少は倒産への第1歩を踏み出したといっても過言ではない。 
 
                  売上が減少すると、利益率が低下する。 
                   
                  利益率にもよるが、売上の減少幅が大きい場合は、赤字に転落する。 
 
                  そうなると、企業は固定費の削減を図ろうとする。まずは、キャッシュの流出という出血を止めなくてはならないからだ。 
 
                  固定費の中で大勢を占めているのが人件費だが、すぐに正社員の解雇はできない。 
 
                  その点、米国の企業などは簡単に正社員を解雇できるため、経営再建=人員削減と考えられており、躊躇なく真っ先に、人に手を付ける。 
 
                  労働者保護の厚い日本では、そう簡単に正社員を解雇はできない。そこで、新規採用の抑制や停止をする。 
                   
                  したがって、取引先の新規や中途採用の広告の出向状況にも注意する必要がある。 
 
あるいは、パートやアルバイト、派遣など解雇しやすい職種から手を付ける。 
 
                  大企業などの場合は、早期退職を募ることがよくある。 
                   
                  退職金を割り増しすることで、特に、勤務年数が高く給与の高い社員を削減しようとする。 
 
                  早期退職制度では、中には優秀な社員が辞めることもあり、競争力を更に弱めてしまう危険性も秘めている。 
 
                  その他削減されやすいのが、広告宣伝費や接待交際費、採用教育費などである。 
                   
                  取引先企業の広告を最近見なくなったとか、折り込みチラシの回数が減ったなど経費削減を意味する事象がないか、常に目を配ることが大切だ。 
 
                  取引先の社長が、銀座や新地に行く回数が減ったというのも立派な危険な兆候なのだ。 
                   
                   
                   
                  ナレッジマネジメントジャパン株式会社 
                  代表取締役 / 与信管理コンサルタント  
                  牧野和彦 
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