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                        | 与信管理入門 第21回 危険な兆候 | 
                      
                      
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                  企業が倒産に至る過程では、様々な兆候を発している。 
                   
                  よく、「ある日突然、倒産した!」などというが、実際には突然ではないことの方が多い。 
 
                  倒産した企業には、何かしら不自然な兆候が起こっていたのだが、それに気がついていなかっただけなのだ。 
 
                  あるいは、気がついていても、何も手を打たなかっただけなのだ。 
 
                  そして、倒産の兆候には色々あるが、末期的な兆候を察知して行動を起しても、打てる手段は限られている。早い段階で手を打つことが肝要だ。 
 
                  そのためには、初期段階での兆候を見抜く必要がある。 
                   
                  初期段階で、代表的な兆候が売上の減少である。売上が減ったら、企業は倒産への第一歩を踏み出し 
                  たと言っても過言ではない。 
 
                  もちろん、売上が減った企業が全て倒産すると言っているわけではない。中には、減収増益のような良い売上の減り方もある。 
 
                  あるいは、売上が増えている企業は倒産しないと言っているわけでもない。特に、近年は増収や過去最高売上を達成した企業の倒産が目に付いた。 
 
                  それでも、売上の減少は危険な兆候の代表格である。 
                   
                  その証拠に、倒産の原因で一番多いのは「販売不振」であり、これが全体の75%を占めている。 
                   
                  つまり、倒産する企業の4件のうち3件は、売上減少による倒産なのだ。 
 
                  取引先が、「売上が減って困っている」などとぼやき始めたら、今は不況だから仕方ないなどとそのままにせずに、状況に応じてその取引先をモニタリングの対象とすべきである。 
 
同じように、利益率の低下、赤字転落も危険な兆候といえる。 
                   
                   
                  ナレッジマネジメントジャパン株式会社 
                  代表取締役 / 与信管理コンサルタント  
                  牧野和彦 
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