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                        | 与信管理入門 第12回 効率性の分析 | 
                      
                      
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                        2.効率性の分析 
                   
                  効率性の分析は企業の経営効率を計る指標で、収益性とも深い関連がある。 
                   
                  効率よく利益をあげることができれば、収益率も向上するからだ。 
 
                  効率性を分析する指標には様々な種類があるが、ここでは代表的な比率として3つを取り上げる。 
 
                  (1)総資本回転率 
                  (2)売上債権回転日数 
                  (3)棚卸資産回転率 
                   
                  (1)総資本回転率 
 
                  企業の経営効率を見る最も代表的な指標で、総資産回転率とも言う。 
                   
                  投資した資産(資本)をどれだけ効率よく活用して、売上を上げているかを判断する指標。 
 
                  この数値が高いほど、経営効率が高いといえる。業種によって異なるが、目安としては1〜2回転。 
                   
                  ただし、回転率が業種平均などと比較して異常に高い場合は、安全性に疑問が生じる。 
 
<計算式> 
総資本回転率(回)= 売上 ÷ 総資本 
 
                  (2)売上債権回転日数 
                   
                  売上債権とは売掛金と受取手形のことで、売上債権を平均すると何日で回収しているかを見るのがこの指標。 
                   
                  日数ではなく回転率で見る売上債権回転率もある。 
 
                  また、売掛金だけの回転日数を見たり、受取手形だけの日数を見たりする指標もある。 
                   
                  この指標は英語では、DSO(Days Sales Outstanding)と呼ばれ、海外では自社の与信管理や債権回収の効率性を計る指標としてよく使われている。 
 
<計算式> 
売上債権回転日数(日)= 売上債権 ÷ 売上 × 365 
 
                  (3)棚卸資産回転率 
 
                  棚卸資産がどれだけ早く現金化されているかを見る指標。棚卸資産には完成在庫だけでなく、原材料や仕掛品なども含まれる。 
 
                  回転率が高いほど製品の売れ行きが良く、資金が在庫に滞留していないことを示す。 
                   
                  反対に、回転率が極端に低い場合は、製品が売れていない、売れ残っていることになる。 
 
                  例えば、近年のマンションデベロッパーなどの不動産業では、回転率が1を下回ることもある。 
                   
                  これは、年間売上以上の在庫を抱えている姿で、危険性が高い。 
                   
                   
                   
                  ナレッジマネジメントジャパン株式会社 
                  代表取締役 / 与信管理コンサルタント 
                  牧野和彦 
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