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| 「手形取引の減少」 企業間決済の5〜6割を占めているといわれる手形決済だが、近年減少傾向に ある。全国銀行協会によれば、20年前の昭和62年には手形の交換枚数が3億 9,626万3千枚、金額で4,172兆5,946億円だった。 これが、平成19年には1億2,357万枚、463兆2,612億円と激減。交換枚数 で3分の1以下、金額で約10分の1にまで減少した。 全国銀行協会 決済統計年報 http://www.zenginkyo.or.jp/stats/year1_01/details/cont_2007.html これに伴い、不渡手形の枚数も69万8千枚から15万7千枚に、銀行取引停止 件数も22,040件から6,295件に3分の1に激減している。また、企業倒産全 体に占める銀行取引停止の占める比率も7〜8割だった時代から5割を切るよ うになってきた。 手形の交換高が減少している原因はいくつかある。まずは、バブル崩壊後の日 本企業の徹底したコスト削減の中で、手形に貼る印紙代がその対象となった。 印紙代とて、大企業になると数千万円単位でかかってくる。 かのカルロス・ゴ―ンが日産自動車の再建に着手した後に、支払手形の全廃を 発表したのはまだ記憶に新しい。また、盗難、紛失のリスクがあり、手形を管 理する物理的、人的なコストがかかってくる。これが主に大企業側の事情だ。 これに対して、中小企業側では約束手形を振り出すリスクを認識する経営者が 増えてきた。約束手形は中小企業の間接金融などと呼ばれ、戦後の日本の高成 長を支えてきた。 確かに受取手形は、裏書譲渡することで、自らの支払いに充てることができる。 また、サイトも長いため資金繰りにもプラスに働く。あるいは、期日前の手形 を銀行で割り引いてもらうことにより、現金化も可能である。 しかし、裏書譲渡したり、期日前に現金に割り引いても、手形が不渡りになる リスクはついて回る。不渡りになれば、銀行から手形の買い戻しを請求される し、譲渡先からも支払いを遡及される。 そして、手形を振り出すと不渡りになるリスクが発生する。これを6カ月以内 に2回やれば、銀行取引停止、つまり倒産である。たとえ、一度の不渡りであ っても信用不安が起きる危険性がある。 ところが、単なる買掛金であれば、不渡りになるリスクはゼロである。実質的 には何のペナルティもない。仕入先に督促されたら、交渉をして支払いを待っ てもらうだけでいい。このことに気がついた経営者が増えてきたのだ。 そして、産業界全体では、手形取引が一般的ではない第4次産業の比率が高ま ってきたことである。昨今では、ネットビジネスとでも言うべき業態が増加し ている。こうした業種、業態では手形取引とは無縁の世界である。それどころ か、少額資本で開業、運営できるため、借入自体もほとんど必要ない。 このような要因が重なり合って、手形取引は減少してきた。このような中、手 形のデメリットを改善した電子手形が発案された。電子手形については次号で 取り上げる。 ────────────────────────────────── ◆今日のまとめ◆ (1)約束手形による決済は年々減少傾向にある。20年前と比較すると、手形 の交換枚数で3分の1、金額で10分の1に激減した。 (2)手形決済の減少理由は印紙代などのコスト削減、不渡りリスクの回避、 産業構造の変化などである。 |
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