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| 「代理受領(振込指定)」 前回は代表的な債権回収の手法の一つである債権譲渡について取り上げた。資 産を持たない中小企業から債権回収をする場合などに、威力を発揮するのが債 権譲渡による債権回収だ。 しかし、債権譲渡には大きな障害がある。債権譲渡禁止特約の存在である。 この特約が債務者と第三債務者間の契約に盛り込まれていると、債権譲渡がで きない。そして、この条項は日本企業の契約に盛り込まれていることが多い。 こうした場合に、効果的なのが代理受領である。代理受領とは、債務者が、第 三債務者に対し有する債権について、債権者が受領する権限の委任を受けてお き、受領した代金で債務の弁済にあてること。委任行為(民643)。 例えば、下記のような状況で、AがBの代わりにBの委任を受けてBの債権を Cから受領し、BのAに対する債務に充当することを言う。 A:自社、債権者、譲受人 B:顧客、債務者、譲渡人 C:顧客の顧客、第三債務者 代理で受領する代わりに、Aの指定する口座にCから直接振り込んでもらうこ とを振込指定と言い、法律的性格は代理受領と基本的に同じである。 住宅ローンの利用者なら分かるはずだが、住宅ローンの融資を受ける際に、融 資の申込人が銀行から融資金を受領するのではなく、銀行から直接ハウスメー カーや売主に支払われることが多い。これも代理受領(振込指定)である。 代理受領や振込指定の利点は次の通り。 (1)債権譲渡ではないため、債権譲渡禁止特約に縛られない (2)第三債務者に対する通知や登記が必要ない (3)債務者の信用度に対する影響が比較的軽微である 代理受領や振込指定で注意すべき点はいくつかある。 (1)対象となる債権が既に債権譲渡や差押されていると対抗できない。 (2)債務者に一方的に委任を解除されると代理受領できなくなる。 したがって、代理受領の委任状を取り付ける際に、一方的な委任解除の禁止を 盛り込んでおく。また、トラブルを避けるためにも第三者債務者の承諾も取り 付けておくと良い。 ────────────────────────────────── ◆今日のまとめ◆ (1)債権譲渡禁止特約が存在する場合、代替手段として代理受領(振込指定) がある。 (2)代理受領とは、債務者が第三債務者に対して有する債権について、債権 者が代わりに受領する権限の委任を受けておき、受領した代金で債務の弁済に あてること。 |
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