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| 「2008年の倒産動向を占う」 2007年末から、日本経済の景気減速懸念が高まっている。いざなき景気を超え た景気拡大期もそろそろ終盤となりそうだ。 2007年の年間の倒産件数はまだ発表されていないが、2007年11月までは既 に発表されている。便宜上、これに12月の予想倒産件数を加えると、14,213 件となる。 2007年1〜11月 12,994件※ 12月予想 1,219件(2006年12月の倒産件数の10%増と仮定) 合計 14,213件 ※東京商工リサーチ調べ 2006年の倒産件数が13,245件だったので7.3%の増加となる。仮にこの予想 が正しければ、年間の倒産件数が14,000件を突破するのは、2003年以来とい うことになる。 倒産件数の増加基調は2008年も間違いなく続くだろう。恐らく、15,000件を 突破するはずだ。倒産増加の要因はいくつか考えられる。 1.サブプライム問題に端を発した米経済の失速 2.円高による輸出産業の収益低下 3.建築確認申請の厳格化による建築業界の不振 4.消費者金融等の上限金利下げによる審査の厳格化 5.原油等原材料の高騰による生活必需品の値上げ 1.サブプライム問題に端を発した米経済の失速 低所得者向け住宅融資であるサブプライムローンによる米金融機関の損失拡大 が、米経済に暗雲を投げかけている。米大手金融のシティグループも222億ド ル(約2兆4千億円)の追加損失を発表した。 シティ、JPモルガンチェース、メリルリンチの米大手金融機関の2007年下半 期のサブプライム関連の累計損失は1121億ドル(約12兆1千億円)となり、 自己資本の増強策を相次いで発表し、不安の払拭に躍起となっている。 NY市場低迷の影響を受けて、東京市場も年明け以来株安を更新している。米 経済の低迷は、比較的な好調な欧州、新興国にも飛び火している。 2.円高による輸出産業の収益低下 低迷する米経済が弱いドルを呼び、相対的に円高へと導いた。強い自国通貨は 本来歓迎すべきことだが、輸出立国の日本にとってはマイナス要因が大きい。 海外旅行者にとっては強い円はうれしいことだが、原油高による航空運賃のサ ーチャージの影響で、海外を避ける旅行者の増加や出費の削減につながる。 例えば、トヨタ自動車の2007年3月期の連結決算では、営業利益の増益分3600 億円のうち、実に2900億円が円安等の為替変動による増益分となっている。 トヨタに限らず、わずか1円の円高は、日本企業の利益を数百億円単位で圧迫 することになる。 3.建築確認申請の厳格化による建築業界の不振 2007年6月の改正建築基準法施行に伴う建築確認審査の厳格化による着工遅 れから住宅着工件数が激減し、建築関係の業績に大きな影響が出ている。 住宅不動産市場研究会の試算によれば、2007年度の住宅着工予測は104万 4,000戸となり、建築確認の影響で約19万戸も減少となる。 4.消費者金融等の上限金利下げによる審査の厳格化 改正貸金業法の施行に伴い、消費者金融やノンバンクが利息制限法に合わせ、 貸出金利の上限を18%に下げた。これにより、信用リスクの高い顧客への融資 ができなくなった。 以前は高い利率でも消費者金融から運転資金を借り、資金繰りを行っていた信 用リスクの高い中小企業の社長などが、資金繰りに困窮し始めている。 5.原油等原材料の高騰による生活必需品の値上げ 投機マネーの流入による原油高騰で、1年前には130円台だったレギュラーガ ソリンが140円台に急騰。家計を圧迫するのはもちろん、荷主に価格転嫁でき ない運送業者の経営も圧迫。企業の輸送コストも大幅に増加。 他にも醤油が18年ぶりに値上げ予定など、小麦など食品や灯油など生活必需 品への影響も出始めている。家計への圧迫は消費意欲を減退させ、企業業績へ 悪影響となる。 こうした要因が絡み、2009年の倒産件数はかなり増加しそうだ。特に、零細企 業、体力のない中小企業の倒産が増加するだろう。 こうした意味で、2008年は企業経営における与信管理が今まで以上に重視され る年になる。 ────────────────────────────────── ◆今日のまとめ◆ 米経済の失速、円高、建築業界の不振、上限金利の低下、物価高騰などの要因 により、2008年も企業倒産件数の増加基調は続く。 ────────────────────────────────── |
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