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| 「債権回収と時効」 さて、今日は時効について取り上げてみたい。 時効には大きく分けて2つある。 ●取得時効 ●消滅時効 取得時効とは、他人の物または財産権を一定期間継続して占有すると、その権 利を取得すること。例えば、他人の土地であっても、そこに家を建てて20年 間住み続ければ、自分の土地になる。取得時効は債権回収とはあまり関係がな い。 消滅時効とは、権利を行使せずに一定期間放置しておくと、その権利が消滅す ること。債権回収ではこの消滅時効が問題となる。消滅時効の時効期間は一般 の民事債権では10年、商事債権は5年である。 つまり、個人間のお金の貸し借りは10年だが、貸主、借主のどちらから一方 が商人であると商事債権となる。 民事債権 10年 商事債権 5年 さらに、請負工事代金は3年、一般の売掛債権は2年、飲食・宿泊代金は1年 と細分化されている。 請負工事代金 3年 一般の売掛債権 2年 飲食・宿泊代金 1年 また、約束手形の場合は基本的に3年だが、これは振出人に対してであり、裏 書人に対しては1年となる。また、裏書人が別の裏書人に再遡及する場合は6 ヶ月と更に短くなる。 約束手形(所持人から振出人) 3年 約束手形(所持人から裏書人) 1年 約束手形(裏書人から裏書人) 6ヶ月 ここで注意が必要なのが、約束手形の原因債権が売掛金の場合は、時効は2年 と短くなることだ。時効期間の起算日だが、支払期日の翌日から時効は進行す る。 ただし、時効が完成するためには「時効の援用」といって、債務者が時効の完 成を債権者に意思表示する必要がある。だから、時効が到来していても、債務 者がそれを知らずに支払ってくれれば問題はない。 多くの債権を扱っていると、1〜2年などはあっという間に経ってしまうものだ。 それで、権利がなくなってしまうのでは困る。では、時効を中断するにはどう したらいいのか。時効の中断とは、時効が振り出しに戻ることである。 時効を中断する主な方法は「債務の承認」と「訴訟の提起」である。実務的に は、債務の承認が多く使われており、残高確認や一部弁済などがその代表的な 手法である。 請求書を送ってさえしていれば時効は到来しないと思っているという間違った 認識を持っている人がいる。これは間違いであり、請求書の送付、つまり催告 によっては、時効は6ヶ月延長するだけ。しかも、6ヶ月以内に訴訟を提起す ることが条件となる。 ────────────────────────────────── ◆今日のまとめ◆ (1)債権回収で問題となるのは消滅時効である。消滅時効の期間は債権によ り細かく分類されている。 (2)請求書を送付し続けても、時効は止まらない。時効の中断には残高確認、 一部弁済などの債務の承認が必要になる。 ────────────────────────────────── |
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