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「ニュースで学ぶ与信管理と債権回収」
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「中国ビジネスにおける与信管理と債権回収」

2007年6月13日付けの日本経済新聞によれば、ヤマハ発動機が中国の2輪車
メーカーを商標権侵害で提訴していた案件で、北京の最高人民法院においてヤ
マハ発動機の勝訴が確定した。

賠償額は約830万元(約1億3千万円)で、中国における商標権侵害の賠償額
としては過去最高の金額とのこと。

過去にも、ヤマハ発動機を始めホンダ、松下電器産業などが知的財産権に関す
る訴訟で勝訴しているが、賠償額は高くても数千万レベルだった。

中国で自社ブランドの不正使用や劣悪なコピー商品に悩まされている日本企業
も多い中、朗報といえるだろう。

知的財産権に関する両国の認識や法制度の違いもあり、まだまだ問題は山積み
だ。しかし、一つ言える事は、中国企業の中にもブランドの価値や重要性を認
識している企業が増えてきているということだ。

今日は、中国ビジネスにおける与信管理と債権回収のポイントについてもう一
度整理しておこう。

(1)債権回収よりも与信管理を重視すべし

中国における債権保全策については本しでも何度かにわたり解説してきた。ま
た、中国の法制度は以前よりも速いスピードで先進国並みになってきている。

それでも、外国企業に対する担保の提供や保証行為は「対外債務」と見なされ、
外貨管理局の許可や届出が必要など、他の国には存在しない障害が残っている。

また、今年の年頭に大きなニュースとなったが、日本の大手ゼネコンが大連の
企業を相手取り起こした債権回収の訴訟では、日本企業が一審も敗訴し、控訴
した最高人民法院でも敗訴が確定した。

債権債務の存在が明確な債権回収の訴訟での債権者の敗訴は、中国の裁判にお
ける地方保護主義がまだまだ根強いことを示している。

(2)支払を遅らせるのが中国企業の経理の仕事

日本で経理の支払担当が、理由もなく請求書の支払日を無視して支払を遅延さ
せていたら、どうなるだろうか。当然、この担当者は上司の注意や叱責を受け
ることになる。

ところが、中国ではこれは必ずしも当然ではない。経理の支払担当者が理由も
なく請求書の日付どおりに支払をしたら、上司の注意や叱責を受け、下手をす
れば職を追われる可能性する存在する。

また、日本企業の子会社や合弁会社でもよく見られることだが、買掛金の支払
を中国の経理担当者に任せておくと、買掛金の支払が滞り勝ちになる。

これについて、「何故支払をしないのか?」と説明を求めるとこんな返答が返
ってくることがある。

「このA社は自分の幼稚園のときから親友が勤めているから、まだしばらくは
支払わなくても大丈夫。」「じゃ、このB社はどうなんだ?」と更に問いただ
すと、「B社の経理には、私の義理の弟が勤務しています。だから、ここは支
払わなくても安心です。」

支払が遅延している取引先を順番に聞いていくと、その全てに何らかの人的な
つながりを持っているとこの経理担当者は主張する。

つまり、いかに自分が有能なネットワークを持ち、会社の買掛金の支払を遅ら
せることで、会社に貢献しているかを誇示するが如くである。たとえ、この日
本の親会社が無借金経営でキャッシュフローが潤沢な会社であろうとも関係な
い。

よい経理マンの仕事とは、「いかに取引先との関係を悪化させることなく、自
社の支払を可能な限り遅らせることでキャッシュフローに貢献すること」と定
義できそうなほどである。

もちろん、これは全ての中国企業、経理担当者に当てはまるわけではない。た
だ、こうした傾向が強いとは言える。

(3)チャンスとリスクは表裏一体

こうして書くと、読者は私が中国ビジネスを避けるように提案しているのかと
勘違いする向きもあるかもしれない。同じような質問をセミナーや講演で受け
ることもある。

誤解しないでいただきたい。

私は中国ビジネスをするなと申し上げているわけではない。そのリスク、特に
その中でも信用リスク、回収リスクが高いことを指摘しているに過ぎない。

日本企業の高成長が、中国市場におけるシェア拡大抜きに持続できない自明の
理である。大きなチャンスのある市場であるからこそ、その裏にはやはり大き
なリスクが潜んでいるのだ。

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◆今日のまとめ◆

(1)債権回収よりも与信管理を重視すべし

(2)支払を遅らせるのが中国企業の経理の仕事

(3)チャンスとリスクは表裏一体
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