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「ニュースで学ぶ与信管理と債権回収」
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「債権譲渡による回収」

今日は代表的な債権回収の手法の一つである債権譲渡を取り上げる。

A:自社、債権者、譲受人
B:顧客、債務者、譲渡人
C:顧客の顧客、第三債務者

自社(A)が顧客(B)からの代金回収が見込めない場合、顧客が顧客の顧客(C)
に対して持っている債権を譲渡してもらい、顧客の顧客から直接回収する方法
がある。

これが債権譲渡による回収だ。債権譲渡とは債権の同一性を維持したままで債
権を他に譲渡すること。

Bの資産がほとんど差し押さえられていたり、他にさしたる資産を持たない状
況でも、法人取引であればほとんど売掛金は存在するため、有効な債権回収の
手段となる。

しかし、こうした緊急的な状況では、Bからの代金回収が見込めないのは、A
だけでなく、他にも債権者がいる可能性が高い。

他の債権者も同じように、債権譲渡による回収を考えるかもしれない。あるい
は、苦し紛れに債務者は二重、三重に債権を譲渡することも考えられる。

したがって、誰よりも早く第三者に対する対抗要件を備えることが肝要となる。
一番早く、債権譲渡契約を締結した債権者ではない。第三者に対する対抗要件
を具備する方法は下記の通り。

1)債務者から第三債務者に通知をする
2)第三債務者の承諾を得る
3)債権譲渡の登記をする

債権譲渡が競合した場合、先に対抗要件を取得した債権者が優先される。つま
り、早い者勝ちである。

そのためには、「確定日付ある証書」による通知または承諾が必要になる。確
定日付とは、証書が作成された日について完全な証拠力が認められる日付のこ
と。

通常、1)の場合は内容証明郵便であり、2)は承諾書に押された公証人役場
の日付スタンプ、3)は登記の日付になる。

一刻を争うような状況では、内容証明郵便は配達証明付の速達で出すことが多
い。

注意が必要なのが、債権譲渡の登記では第3者に対する対抗要件にはなるが、
第三債務者に対する対抗要件にはならない点だ。

債務者に対抗するには、登記事項証明書を添付して第三債務者に通知するか、
承諾を取ることが必要になる。

また、第三債務者には抗弁権も認められているし、反対債権があれば相殺する
ことも可能だ。

この場合では、BC間で相対する取引があり、CもBに対して債権を持ってい
れば、Bの債権と相殺することができる。

また、BC間の契約に債権譲渡禁止特約が盛り込まれていれば、債権譲渡自体
が無効になってしまう。

したがって、債権譲渡を行う前に次の点を確認する必要がある。

1)BC間で反対債権の有無
2)Bの債権の弁済時期
3)BC間の契約における債権譲渡禁止特約の有無

それでは、BC間に債権譲渡禁止特約が盛り込まれていた場合、どんな回収手
段が取れるだろうか。

これについては次回取り上げる。

──────────────────────────────────
◆今日のまとめ◆

(1)自社が顧客からの代金回収が見込めない場合、顧客の顧客に対する債権
を譲渡してもらい、顧客の顧客から直接回収する方法がある。

(2)債権譲渡が競合した場合、債権譲渡契約締結の先後ではなく、第三者に
対する対抗要件具備の先後が争われる。
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