あなたの会社の与信管理・海外取引をプロのノウハウでサポート
ビジネスセミナー 代表者の講演実績 与信管理マニュアル 海外与信管理マニュアル メディア掲載履歴 Home
無料メールマガジン

日本唯一の与信管理メルマガ

「ニュースで学ぶ与信管理と債権回収」
お名前(漢字)
会社名(漢字)
メールアドレス(半角英数)

よろしければ下の送信ボタンを
押して下さい



■与信管理に関する最新ニュース■
「日興の不正会計問題とみすず監査法人の解体」

かつて、有価証券報告書の虚偽記載で上場廃止にしたカネボウや西武鉄道は、
大株主の持株比率の過少記載や債務超過といった上場廃止にする明確な要件が
あった。

しかし、日興の場合は利益を大幅に水増ししていたとは言え、債務超過はもち
ろん赤字にも陥っていない。このあたりが、東証側の判断を難しくしているよ
うだ。

この報道に先立つ2月27日には、日興は旧経営陣3名に対して総額31億円の
損害賠償を請求すると発表している。単純に計算すると、一人当たり10億円
である。

利益水増しによる株価上昇が主な動機だったのか定かではないが、あまりにも
大き過ぎる代償である。どれほどの報酬を得ていたか知らないが、上場とは言
え日本企業の経営者には到底支払えぬ金額だ。

一昔前であれば、不正会計が明らかになっても、現経営陣が自らの先輩や元上
司に当たる旧経営陣を訴えると言うのは考えられなかったことである。

しかし今や、情に負けて旧経営陣の管理責任を問わなければ、今度は自分たち
が、株主代表訴訟の標的となる時代である。

ましてや、日興は上場廃止かどうかの瀬戸際に立たされている。旧体制との決
別を東証側にアピールする狙いもある。仮に上場廃止になれば、信用は失墜し、
他の証券会社に乗り換える顧客も増えるだろう。

今回の損害賠償のニュースを知り、多くの経営者が、不正会計や粉飾決算に手
を染めることが、いかに割に合わないことか痛感しているはずだ。

一方、日興の監査を担当していたみすず監査法人(旧中央青山監査法人)は、
新日本、トーマツ、あずさの大手三監査法人に所属会計士を移籍させ、監査業
務を全面的に移管することを2月20日に発表した。

法人の存続は未定としているが、みすず監査法人は事実上解体すると見ていい。

かつてビッグ5の一角であったアンダーセンは、エンロン粉飾の余波で2002
年7月に消滅した。自主的にせよ、旧中央青山監査法人もカネボウの粉飾決算
と日興の不正会計で同じ道を辿ることになる。

同監査法人の監査先では古くは、ヤオハンや山一證券に始まり、ごく最近では
三洋電機の不適切な会計処理問題も明らかになっている。これだけ問題が重な
れば、監査を依頼している企業にも「またか」と言う意識が芽生えて当然だ。

大手監査法人が消滅するなど、かつては考えられないことだった。しかし、一
度高まった監査法人に対する不信の目は、そう簡単に払拭できるものではない。

それに加えて、金融庁はここ数年、金融機関や証券会社に対する予想を超える
厳しい措置を施してきた。

また、金融審議会は公認会計士法の改正案を今国会に提出予定で、現行の業務
停止命令等の制度に加えて、課徴金制度や刑事罰の導入なども検討されている。

更には、内部統制の導入がすぐそこまで迫ってきている。必然的に、会計士の
会計処理に対する判断も厳しくならざるを得ない。ここ数年はこうしたことに
よる混乱もあり、決算訂正や決算発表の遅延なども相次ぐだろう。

この2つの事件に共通して言えるのは、日本的な馴れ合いの企業文化が既に過
去のものになりつつあるということだ。こう書くと、こうやって日本の企業文
化は失われていくのかと思われる向きもあるかもしれない。

しかし、監査の厳格化は粉飾決算や不正会計の減少につながり、企業の財務状
態を今まで以上に正確に評価できることになる。与信管理に携わるものとして
は、歓迎すべき風潮である。

──────────────────────────────────
◆今日のまとめ◆

(1)相次ぐ不正会計の表面化や監査法人の解体もあり、監査の厳格化が見ら
れる。その結果として、決算訂正や決算発表の遅延なども相次いでいる。

(2)監査の厳格化は長い目で見れば、粉飾決算や不正会計の減少につながり、
企業の財務状態を今まで以上に正確に評価できることになる。

──────────────────────────────────
「環境ベンチャーの破たんとマスコミへの露出」

環境ベンチャーのイー・エス・アイの社長、京塚容疑者が、4億4千万円の詐
欺容疑で東京地検特捜部に2007年2月5日逮捕された。

逮捕翌日の日経新聞の記事によれば、実際には存在しない売掛債権を担保に銀
行から融資2億6千万円を取り付ける一方で、取引先から約束手形18通を1
億8千万円振り出させていた。

どちらのケースでも、京塚容疑者は架空の売掛債権が記載された一覧表を提示
し、金融機関と取引先を信用させた。

また、2002〜2003年には、都内の不動産賃貸業者などを引き受け先とした第
三者割当増資を繰り返すことで、約10億円を集めており、このあたりの経緯
についても疑問がもたれている。

京塚容疑者は、当時東証一部上場であった旧ネミック・ラムダ(現在のデンセ
イ・ラムダ)の社長を務めていたこともあっただけに、銀行や取引先も信用し
たのではないかと推測される。

設立当初は、同社は農水省OBや財界人を経営陣に迎えたこともあり、環境ベ
ンチャー企業の先駆けであった。また、2002年11月には日経BP社主催の第
1回日本イノベーター大賞の優秀賞を受賞している。

http://corporate.nikkeibp.co.jp/information/newsrelease/newsrelease20021105.html

どれほど重みのある賞かは分からないが、受賞者の顔ぶれを見ると、ノーベル
賞の田中耕一さんや、ジブリの鈴木敏夫氏も名を連ねており、相当な面々であ
る。

しかし、こうした華々しい経歴とは裏腹に同社の業績は伸び悩み、資金繰りに
も窮していた。結局、2004年4月に2回目の不渡りを出し、事実上破たんし
た。

もちろん、詐欺容疑で逮捕となっているが、純粋な詐欺というよりは、破たん
を回避するための資金繰り策だったのかもしれない。日本のオーナー経営者は、
倒産を免れるためにできることは何でもやるものだ。

もちろん、それが違法行為であってよい理由にはならないのだが、恐らくこの
社長にも売上さえ回復すれば、融資は返済できる、手形も買い戻せるなど自分
なりの見通しは合ったはずだ。

しかし、結果的に売上は回復せずに会社は破たんした上に、自身は詐欺罪で逮
捕。同じ経営者として、本当にそこまでやる必要があったのかという疑問が残
る。

もはや、会社の倒産は人生の終わりを意味しない。再生の道はいくらでもある。
しかし、大事なことは早期の対処である。癌と同じだ。医学の進歩により早期
発見で適切な対応を取れば、延命の道もある。しかし、末期では奇跡を祈るし
かない。

経営不振の会社も癌と同じである。早期に癌であることを認め、対応を取れば、
傷の浅いうちに会社を整理することができる。それが結果的には、自分はもち
ろん、周囲にも迷惑を掛けないことになる。

債権者にしてみても、会社の病状を知っていれば債権残高を膨らませずに済む。
経営者も返済しきれないような多重債務を抱えずに済む。粉飾や詐欺に手を染
める必要もなく、逮捕される羽目にも陥らずに済む。

登山では撤退する勇気が必要だと聞くが、経営も同じだと思う。メルマガの読
者には経営者も多いが、冷静に引き際を見極め、撤退する勇気を持っていただ
きたい。ましてや、自分の命を断つなどというのは想像すべきことでもない。

是非、会社の倒産を苦に自殺する国民は、日本人と韓国人だけであることを知
って欲しい。他の国の経営者はふてぶてしいほど、あっけらかんとしている。
罪の意識も皆無と言っていいだろう。

この背景には、それぞれの国民性はもちろん、金融システムの違いが大きい。
経営者の連帯保証が当然、わずか2回の支払遅延(手形の不渡)で倒産と言う
システムは日本や韓国ぐらいしかない。

こうした事実を知れば、倒産を回避するために詐欺をして逮捕など、いかに割
に合わないかわかるはずだ。

一方、与信管理を担当するものとしては、今回の事件で教訓とすべき点が2つ
ある。

(1)官僚や経済界の重鎮が経営陣に名を連ねているだけで、企業の売上が上
がるわけではない。

(2)各種の賞において受賞企業が安定的に成長するとは限らない。

(3)マスコミでよく取り上げられる企業が必ずしも、業績好調とは限らない。
内情は火の車であることも珍しくない。

(4)売掛債権を担保にする場合は、債務者と第三債務者の契約書も確認すべ
きである。

もちろん、こうした定性情報は一般的に信用度にプラスに働く。しかし、あく
まで一つの要素に過ぎず、その他の定性情報や定量分析を含めて総合的に判断
するべきだ。

2006年5月に倒産したUSCPAの予備校、Anjoインターナショナルにしても、
2007年2月1日に自己破産したPCサクセスにしてもそうである。特に、前
者は、野村證券を脱サラした創業者のサクセスストーリーとして、マスコミに
取り上げられることが多かった。

先日も経営者仲間から、マスコミによく取り上げられるある経営者の会社が火
の車だと聞いた。社名は明かせないが、華やかな表舞台とは裏腹に、会社の業
績は伸び悩んでいるらしい。

かつては、与信管理の世界でも「社長が本を書いたり、TVに出るようになる
とその会社は危ないという」という見方があった。経営者が自分の成功に慢心
してしまい、経営がおろそかになると言うわけだ。

最近でこそ、若い経営者が本を出すことは珍しくなくなったし、TV出演に対
する希少性も薄れてきたので、必ずしも経営がおろそかになるとはいえない。

しかし、社長の露出の高さと信用リスクの高さは、若干のタイムラグをもって
比例するケースも少なくない。頭の隅に入れておきたい要素である。

──────────────────────────────────
◆今日のまとめ◆

(1)経営者には引き際を冷静に判断し、撤退する勇気も必要だ。

(2)マスコミでよく取り上げられる企業が必ずしも、業績好調とは限らない。
内情は火の車であることも珍しくない。

──────────────────────────────────
English
与信管理、海外取引を担当している方のためのサイト
過去のニュース
2007年10月
2007年9月
2007年8月
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2007年2月
2007年1月