| ◆海外与信管理のポイント
|
||
<支払いを遅らせるのが仕事?> 2年ほど前に私は、米国の大手コンピューターメーカの日本支社で、与信管理について 講義する機会がありました。 そのとき、日本を統括している本社のクレジットマネージャー(与信管理・債権回収の責 任者)と話したところ、彼は「日本は売掛金の回収率が最もよい国のひとつだ」と言ってい ました。これはこのコンピューターメーカ特有のことではなく、多くの外資系企業の日本法 人にも当てはまることです。 日本では、企業間の取引では請求書の支払期日どおりに、支払いをするのが大前提= 常識となっています。これには色々な理由がありますが、ひとつには約束を守ることを美 徳とする国民性があります。 但し、最近では債務者保護の視点に立った倒産法の整備が進み、この美徳も忘れられ がちで、一部の消費者では「借り得」のように意図的な自己破産も多く見られるようになり ました。 支払期日を守ることが常識となった最も大きな原因は、企業間の決済に約束手形が普及 している点です。手形の決済では、6ヶ月以内に2回の不渡りを出すと銀行取引停止にな り、事実上の倒産を意味します。 このような厳しい決済のシステムを国の経済インフラとして整備している国は、日本のほ かには韓国ぐらいしかありません。 では、世界的に見ればどうなのか。一日や二日、支払が遅れたところでどうと言うことは ないというのが一般的な考え方です。 更に、欧米の企業の経理部門には、「私の仕事は一日でも支払を遅らせることです。」と 言う担当者がいるのだから驚きます。 この理由はキャッシュフロー経営の浸透と決済条件にあります。取引先との関係を悪化 させない範囲で、一日でも支払を遅らせれば、キャッシュフローに余裕が出ます。 そして、決済条件もある意味で支払い遅延を助長しています。例えば、欧米で最も一般 的な決済条件は、Open Account(オープン・アカウント)と呼ばれる条件で、支払遅延に 対するペナルティは実質上存在しません。 また、決済の手段には通常、各企業が振り出す小切手が使われます。しかも、その小切 手を普通郵便で送るだけです。ご存知のように諸外国の郵便事情は、日本と違ってお粗 末なもので、郵便の到着が遅れるなどは日常茶飯事で、郵便物の紛失も桁違いに多いの が実情です。 ですから、支払期日に到着するつもりで小切手を郵便で送っても、実際の到着が1週間程 度遅れることはよくあることです。 債権者もその程度の遅延は容認している節があります。では一体、どの程度の遅延まで なら容認されるのでしょうか?これは企業により千差万別です。 だからこそ、取引先の与信管理方針を理解して、取引先との関係を悪化させず、かつ自社 の信用格付けに影響がない範囲で、できるだけ支払を先延ばしさせることができるかが、 経理担当者の腕の見せ所となるわけです。 こんな商習慣を前提とする欧米企業と取引するのですから、よもや何の保全もない後払い での送金取引などは、絶対に避けるべき決済手段だといえます。これは製品を輸入する 場合にも言えることで、前払いは極力避けましょう。 「お金は払ったのに商品が届かない」、「注文したものを違う商品が送られてきた」、「商品 が破損していたが返品が利かない」など、この手のトラブルには枚挙に暇がありません。 海外取引における与信管理の5つのポイント |

![]() |
ブラウザーはInternet Explorer5.0以上でご覧ください。 |
| Copyright(C) 2000 Knowledge Management Japan Corporation. All rights reserved. |
| 無断転載を禁じます |
| 無料メールマガジン |
|
日本唯一の与信管理メルマガ |